ナースのための家庭教師、神津三佳です。
最初のブログは、私の起業のきっかけになった3つの壁についてのお話しです。
ナースのための家庭教師になろうと思った3つの壁
- 論文を投稿する
- 博士課程で学位をとる
- 働きながら研究をする
この3つ、医師の多くは当たり前のようにやっているように見えますが、看護師では当たり前ではないと思います。
私自身、この3つを経験しましたが、どれも巨大な壁でした。
一人でなしえるにはとても難しく、指導してくれる先生や、仲間の存在が必要不可欠でした。
一つずつ説明していきます。
論文を投稿する
職場や大学院で研究し、学会で発表することは何とか勢いでできたとしても、その後、論文にまとめ投稿する、となると、そこには壁があるように思います。
論文投稿には、論理的な思考力や、表現力という壁があります。
投稿論文の執筆は、いわば、登場人物のセリフが最小限の短編小説を書くようなもの。
最小限のセリフで、読み手にストーリーを理解させ、作者の主張を納得させるには、論理的な思考力や表現力が必要だと思います。
出版社の編集者さんのように、多くの著作に触れた経験があり、客観的な見方ができるような人からの助言があると、進むスピードが違ってくると思います。
私はというと、初めての研究は大学院の博士前期課程(修士課程)で行いまして、そこから、研究成果を論文にまとめ掲載されるまでに、3年以上かかりました。長い間辛抱強く指導してくださった恩師には、感謝しかありません。
当時の私は、どう書いたらいいのだろうと、いちいち執筆が止まり、それを多忙な恩師に相談することが心苦しく、時間ばかりかかったのです。
博士課程で学位をとる
博士課程の修了要件は、各自大学のシラバスに記載されています。
しかし、自分が要件を満たしているかわからなかったり、研究が進まずに満期退学を選択する人もいます。
学位取得には、アカデミアの壁が立ちはだかっています。
博士課程の学生は、社会背景がさまざまです。
研究者としての実力も、研究に使える時間も、それぞれ。
博士課程の先輩や、学位審査に一緒に向かう仲間がいないこともありえます。
実力や時間不足では、アカデミアの壁の前に気力や体力ばかりが奪われ、先輩や仲間がいない場合では、ペース配分もよくわかりません。
私は、博士課程1年目の中頃に、第一子、その2年半後に第二子を出産したので、休学を経て、結局博士課程には6年間在学していました。
育児とパートに必死なまま、無の境地で研究を進め、学位審査に突入しましたが、本当に、仲間や先輩の存在が大きかったと思います。
働きながら研究をする
今は、経営やマンパワーの問題で、働きながら研究をすることは、一層、難しくなっているかもしれません。
働きながらの研究は、時間とモチベーションの壁があります。
看護師として働きながら研究をすることは、研究成果をすぐに活かすことがきたり、看護の視点が広がったりと、いいことづくめ。ますます看護が好きになるチャンスを秘めています。
壁を乗り越えるためには、やりたい研究を、楽しく、負担なく行えることが鍵となります。
私は、もう一度研究をしたいと思いつつ、いつの頃からか、色々なことを言い訳にして、壁の高さにため息をつくばかりでした。
すべての働く研究者をリスペクトし、全力で応援したいと思っています。