悪心嘔吐の分類と治療の基本

がん看護専門看護師の神津三佳です。

CINV（化学療法に伴う悪心嘔吐）は、4つに分類でき、それぞれに対応があります。

CINVの出現時期と状態による分類

悪心嘔吐は、出現時期と状態から、急性、遅発性、突出性、予期性の4つに分類されます。

日本癌治療学会編集の「制吐薬適正使用ガイドライン」第3版の総論で、治療の基本が説明されています。

・過不足ない適切な発現予防を目指すー催吐性リスクに応じた適切な制吐療法の選択

・過去のがん薬物療法における悪心・嘔吐の発現状況、患者関連リスク因子や患者の置かれた社会状況も考慮して決定する

・放射線治療による悪心嘔吐にも制吐療法を行う

・各制吐薬に特有の副作用を理解する

・悪心嘔吐の原因として、がん薬物療法に関連しない要因も考慮するー腸閉塞、電解質異常（高カルシウム血症，低ナトリウム血症，低マグネシウム血症）、心因性要因（不安，予期性悪心・嘔吐）など

・患者自身の症状評価（患者日誌）、自宅での制吐療養のアドヒラランス維持、突出性悪心嘔吐の対応の教育

・生活・環境における工夫ーゆったりとした服装、食生活の工夫（次項）、栄養管理の徹底、外来治療室や自宅のにおいや換気の整備

・多職種連携チームで制吐療法を行う

などなど。

食生活の工夫としては、以下のように説明されています。

・少量ずつ摂取し食事の回数を増やす

・食べやすい形状にする

・におい・味付け・温度等を配慮する

2025-11-05