抗がん薬によるしびれ

がん看護専門看護師の神津三佳です。

抗がん薬によるしびれは、予防や治療が確立していません。

しびれが生じやすい細胞障害性抗がん薬

しびれが生じやすい薬剤は、細胞障害性抗がん薬が多いです。

  • オキサリプラチン、シスプラチン、カルボプラチン(プラチナ系)
  • パクリタキセル(タキサン系)
  • ビンクリスチン(ビンカアルカロイド系)

しびれが生じやすい分子標的薬

しびれが生じる分子標的薬は少ないです。

  • ボルテゾミブ(プロテアソーム阻害薬)

しびれの発現メカニズム

プラチナ系は神経細胞体の障害、タキサン系やビンカアルカロイド系は髄鞘・軸索の障害、と考えられています。

発現メカニズムがはっきりしないものもあります。

しびれへの対応

しびれにより日常生活が制限される場合は、減量や中止も検討します。

中止後、徐々に改善する場合が多いですが、症状が残る場合もあります。

有効性は明らかではありませんが、改善の可能性のある薬剤を投与することがあります。

  • 抗けいれん薬(プレガバリン)
  • 抗てんかん薬(ガバペンチン)
  • 抗うつ薬(デュロキセチン)
  • ビタミンB12(メコバラミン)など