抗がん薬による下痢

腸管の水分量が増加する

がん看護専門看護師の神津三佳です。

腸管粘膜の上皮細胞はターンオーバーが早いので、細胞障害性抗がん薬の影響を受けやすいです。

下痢を起こしやすい細胞障害性抗がん薬と分子標的薬

細胞障害性抗がん薬では、イリノテカンやピリミジン系薬が下痢を起こしやすいです。

分子標的薬では、アファチニブ、エルロチニプ、レンバチニブ、スニチニブ、アキシチニブなどが下痢を起こしやすいです。

下痢は早発性と遅発性でそれぞれ対応が異なる

抗がん薬による下痢は、早発性と遅発性に分けられます。

分類定義原因対応
早発性下痢投与直後から24時間以内に起こる下痢コリン作動性抗コリン薬(ブスコパンなど)
遅発性下痢投与後数日から起こる下痢腸管粘膜への刺激整腸剤など(ロペラミド、タンニン酸アルブミン、乳酸菌など)

注意が必要な下痢

イリノテカンは、早発性下痢が起こりやすいです。

また、イリノテカンは、代謝に関わる酵素UGT1A1の遺伝的多型の存在に注意が必要です。

EGFR阻害薬は、腸管の水分量を増加させ、遅発性下痢が起こりやすいです。

免疫チェックポイント阻害薬による遅発性下痢は、irAEの一つである免疫性の腸炎の可能性があり、専門医による精査・治療が必要です。