オンライン家庭教師、がん看護専門看護師の神津三佳です。
EGFRとは、上皮成長因子受容体、epidermal growth factor receptorです。
EGFR阻害薬とは、EGFRを標的にしてブロックする分子標的薬です。
抗EGFR抗体薬(点滴)、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(内服)がある
EGFRを標的にする分子標的薬は、点滴の抗EGFR抗体薬と、内服のEGFRチロシンキナーゼ阻害薬があります。
EGFRは皮膚、爪、毛などの増殖や炎症制御などに関わる分子
分子標的薬は、がんの増殖や転移への指令に向けてバトンを渡す分子を標的にして阻害する薬です。
その分子が正常細胞にあれば、それも標的にして阻害してしまい、それをon-target toxicityと言います。
EGFRを標的にする分子標的薬は、皮膚、爪、毛の増殖や炎症制御に関わる分子も阻害してしまいます。
つまり、皮膚、爪、毛などのトラブルは、EGFRを標的とする分子標的薬のon-target toxicityです。
皮膚、爪、毛などのトラブルへの対処は保湿
まずは保湿が第一です。
ヘパリンなどの薬物が配合された保湿剤を医師に処方してもらうとよいです。
皮膚のひび割れやニキビ様の皮疹の悪化などがあれば、抗生剤が配合された軟膏の処方や皮膚科への紹介を医師に依頼します。
保湿、保護、炎症を起こさない・悪化させない、刺激を避けるなど痛みや苦痛を生じる行動を減らす、という対応をします。
内服のEGFRチロシンキナーゼ阻害薬は間質性肺炎も起こりやすい
内服のEGFRチロシンキナーゼ阻害薬は、間質性肺炎が起こりやすいと言われています。
乾いた咳や息苦しさがあればすぐに医師に伝える必要があります。