がん看護専門看護師の神津三佳です。
カール・R・ロジャーズ(1902−1987)の1957年の論文は、いつ読んでも素晴らしいと感じます。
「セラピーによるパーソナリティ変化の必要にして十分な条件」
条件はたった6つです。
- 2人の人が心理的な接触をもっていること。
- 第1の人(クライエントと呼ぶことにする)は、不一致の状態にあり、傷つきやすく、不安な状態にあること。
- 第2の人(セラピストと呼ぶことにする)は、その関係のなかで一致しており、統合していること。
- セラピストは、クライエントに対して無条件の肯定的配慮を経験していること。
- セラピストは、クライエントの内部照合枠を共感的に理解しており、この経験をクライエントに伝えようと努めていること。
- セラピストの共感的理解と無条件の肯定的配慮が、最低限クライエントに伝わっていること。
無条件の肯定的配慮とは
無条件の肯定的配慮は、unconditional positive regardの訳です。
無条件の肯定的な受容、無条件の肯定的な関心、などの方がイメージしやすいかもしれません。
クライエントがどのようなことを言っても、それが悪いことでも良いことでもなんでも、肯定的に受け止める、関心を寄せる、ということです。
内的照合枠とは
内的照合枠は、internal frame of referenceの訳です。
内的枠組み、内的な判断基準、の方が親しみやすいかと思います。
クライエントの判断基準を共感的に理解し、それをクライエントに伝える、ということです。
「省略されている重要なこと」
ロジャーズは、この論文の中で、以下の説明を省略したと述べています。
- どのようなタイプのクライエントにも、この6つの条件以外の別の条件は必要ではないこと。
- サイコセラピーは特別な人間関係ではないこと。
- セラピストに特別な知的・専門的な知識は要求されないこと。
- セラピストがクライエントに正確な心理学的診断をする必要はないこと。
もっと看護職者もロジャーズの6つの条件を意識するとよいと思っています。
出典
ロジャーズ選集(上)カウンセラーなら一度は読んでおきたい厳選33論文
H.カーシェンバウム/ V.L.ヘンダーソン編、伊東博・村山正治監訳、誠信書房、2001年
