がんによる経済的負担

がん看護専門看護師の神津三佳です。

がん治療の長期化と高額化が気になっています。

長期化と高額化はなぜ起こるか?

第一には、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬が開発され、その治療成績が良く、長く使えるからだと思います。

標準治療で行う分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬は高額ですが、医療保険での支払いです。

収入に関わらず経済的負担感は生じうる

経済毒性とは、治療に関連した経済的負担感のことを言います。

経済毒性リスク因子は、低収入・若年患者・介護者が配偶者と報告されています(文献1より)。

低収入でなければ経済的負担感がないかというと、そういうわけでは決してないようです。

看護師FPの黒田ちはるさんによると、がん患者362人へのアンケート調査では、年収770万円以上の区分(ア・イ)の人は、ウ・エ・オの人に比べ、限度額に達しなかった割合が10倍高かったそうです(文献2より)。

高額療養費、自分の限度額を知っていますか?

70歳未満では5つの区分(アイウエオ)があります。

イメージしやすいように、あえて、表現をシンプルにしてみました。

区分およその月収自己負担限度額多数該当(4回目から)
81万円以上およそ25万円およそ14万円
51〜81万円およそ16万円およそ9万円
27〜51万円およそ8万円およそ4万円
27万円以下およそ5万円およそ4万円
住民税非課税およそ3万円およそ2万円

つまり、月収が60万円の方は、区分イで、1ヶ月の支払いが最大16万となる可能性があり、それが1年間に3回あれば、4回目から支払いが最大9万円までになる、

月収が20万の方は、区分エで、1ヶ月の支払いが最大5万円となる可能性があり、それが1年に3回あれば、4回目から支払いが最大4万までになる、ということです。

高額ながん治療が長期化すれば、どの区分であっても、経済的負担は大きくなります。

出典

文献1:Itani Y, Obama K, Fujimori M, Saito J and Uchitomi Y (2023) Cancer treatment-related financial toxicity in Japan: a scoping review. Front. Psychol. 1(14)

文献2:https://media.moneyforward.com/articles/9927?af=summary

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