遺伝性腫瘍の例

ナースのための家庭教師、神津三佳です。

遺伝性腫瘍は、主にがん抑制遺伝子の変異を家系内で継承しています。

遺伝性腫瘍の特徴

遺伝性腫瘍の特徴は、

  • 若年発症
  • 多重がん
  • 両側性がん

ですが、それぞれの疾患で原因遺伝子が異なり、発生リスクが高くなるがんも異なります。

遺伝性腫瘍の例

遺伝性腫瘍の発生は、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)とリンチ症候群が多いと言われています。

疾患名原因遺伝子発生リスクが高くなるがん
遺伝性乳がん卵巣がん症候群
(HBOC)
BRCA1
BRCA2
乳がん
卵巣がん
前立腺がん
膵臓がん
リンチ症候群MSH2
MSH6
MLH1
PMS2
大腸がん
胃がん
小腸がん
子宮体がん
卵巣がん
腎盂・尿管がん

その他、リ・フラウメニ症候群、家族性大腸ポリポーシス、網膜芽細胞腫、ウィルムス腫瘍(腎芽腫)など多数あります。

がん抑制遺伝子の変異により特定のがんが発症しやすい

遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)とリンチ症候群は、ともにがん抑制遺伝子の変異が原因の一つです。

変異とは、一般人には1%未満しか見当たらない塩基配列の変化をいいます。

全ての体細胞で、2つある原因遺伝子の1つの方が変異しているということです。

がん抑制遺伝子の変異とは、がん抑制タンパク質が正常に機能しないということです。

体細胞のある場所で、残りの1つの原因遺伝子が傷ついたときに、その場所ではがん抑制タンパク質が機能しないため、がんが発生します。