「がん家系」でも、そうでなくても

がん看護専門看護師の神津三佳です。

「がん家系」という言葉は、医学的な定義がありません。

医学的な定義はないけど、「がん家系」とは、どういう家系なのか、考えてみました。

がんは環境要因と遺伝要因の両方が関係する

がんは環境要因と遺伝要因の両方が関係します。

環境要因とは、食事(高塩分など)、飲酒、喫煙、感染、放射線、化学物質、など。

遺伝要因とは、細胞の設計図である遺伝子がもたらすこと。

「がん家系」では、このどちらか一方または両方の要因によってがんの方が多い可能性があります。

環境要因によるがんの例

お酒が飲めないタイプなのにお酒をたくさん飲む場合は、がんになりやすいです。

喫煙でがんのリスクが上昇します。

特定の感染は特定のがんの発生に関係します。例えば、ピロリ菌感染は胃がんを発生させます。

このように、家族内で同じ環境要因(生活習慣と感染)にさらされていることで、家系内にがんが多い可能性があります。

遺伝要因によるがんの例

全2万種類以上ある遺伝子のうち、がん化に関与する遺伝子は数百あると考えられています。

この1つに何らかの変異があることで生じるがんを遺伝性のがんと言います。

代表的な遺伝性のがんに、遺伝性乳がん卵巣がん症候群、リンチ症候群があります。

遺伝性乳がん卵巣がん症候群は、乳がん、卵巣がんのほか、膵がん、前立腺がんを発症する方が家族内にいます。

リンチ症候群は、大腸がん、子宮体がんのほか、卵巣がん、胃がん、腎盂・尿管がん等を発症する方が家族内にいます。

遺伝性のがんの特徴は、若い年齢で、いくつかのがんに罹患する場合があることです。

「がん家系」での対策は

自分が「がん家系」であると考える場合の対策を考えてみます。

がんの診断を受けた家族の方を、母方と父方に分けて書き出してみる(できれば何がんかと診断時の年齢も)。

遺伝性のがんであると推測され、専門家に相談したい場合は、遺伝カウンセリングをお勧めします。

生活習慣によるものと推測される場合は、その習慣を断ち切ることを検討してはいかがでしょうか(特に喫煙と赤くなる方の飲酒)。

感染によるものと推測される場合は、感染の有無を調べたり、ワクチン接種を検討してはいかがでしょうか。

また、がん保険への加入も心強いと思います。

「がん家系」でなくても当然がんになる

加齢もがんの最大の要因です。

若くても、交通事故のように、遺伝子の変異が偶然起こり、がんになることもあります。

どんな人であっても、生活習慣や感染によって、がんのリスクが高められます。

結局、「がん家系」であってもなくても、リスクを減らす生活習慣や感染対策を心がける必要があります。